w3m でインライン画像を表示
(2002/02/04) 坂本浩則
hsaka@mth.biglobe.ne.jp
(2002/10/16) 伊東宏之
ZXB01226@nifty.com
はじめに
w3m でインライン画像を表示する拡張です。
機能
- X11 上の端末(xterm,kterm,rxvt,...)、 Linux の framebuffer 上または Windows 端末上に画像(GIF,PNG,JPEG 等)を表示します。
- img タグで指定されたインライン画像を表示できます。 width,height 属性に応じて必要な領域を確保してレンダリングします。 align 属性に対応しています。
- Content-type: image/* な画像ファイルを直接表示できます。
- map タグに対応しています。 area タグの shape, coords 属性を認識し、メニュー表示から選択できます。
- img タグの ismap 属性に対応しています。
座標値を
?<x>,<y>
として URL に追加して送ります。 - input タグの type=image 属性で指定されたインライン画像を表示できます。
座標値を
<name>.x=<x>&<name>.y=<y>
として送ります。 - 非同期に画像を読み込みます。
- 画像をキャッシュできます。
- GdkPixbuf を利用した場合 GIF animation を表示できます。
キー操作
DISPLAY_IMAGE 画像の読込/表示を再開します。 STOP_IMAGE そのバッファの画像の読込/表示を停止します。 SET_OPTION display_image=toggle 画像の読込/表示を切替えます。
デフォルトのキーマップはありませんので、~/.w3m/keymap に keymap X DISPLAY_IMAGE keymap C-c STOP_IMAGE keymap t SET_OPTION display_image=toggle の様に記述して使用してください。
コマンドラインオプション
-ppc <pixel>
一文字あたりの幅(pixel 値)を指定します。デフォルトは自動設定。
正しく設定されない場合は端末の font の大きさに必ず合わせてください。
-ppl <pixel>
一行あたりの幅(pixel 値)を指定します。デフォルトは自動設定。
正しく設定されない場合は端末の font の大きさに必ず合わせてください。
オプションパネル
pixel_per_char
一文字あたりの幅(pixel 値)を指定します。デフォルトは自動設定。
正しく設定されない場合は端末の font の大きさに必ず合わせてください。
pixel_per_line
一行あたりの幅(pixel 値)を指定します。デフォルトは自動設定。
正しく設定されない場合は端末の font の大きさに必ず合わせてください。
display_image
インライン画像を表示します。デフォルトは ON。
auto_image
インライン画像を自動で読み込みます。デフォルトは ON。
OFF の場合は、コマンド DISPLAY_IMAGE で読み込みを開始します。
max_load_image
画像を読み込む時の最大プロセス数。デフォルトは 4。1〜8 まで設定可能。
ext_image_viewer
コマンド VIEW_IMAGE('I')の場合や Content-type: image/* である
画像ファイルを外部ビューワで表示します。デフォルトは ON。
OFF の場合は、インライン画像として直接表示します。
image_scale
画像のスケールを指定します。デフォルトは 100(%)。
小さい font と共に使う場合には値を小さくすると有用。
imgdisplay
インライン画像を表示するためのコマンド。デフォルトは w3mimgdisplay。
下記の "w3mimgdisplay の設定" を参考にしてオプション設定してください。
必要なもの
・X11 使用時
- GdkPixbuf (0.16 以上推奨)
または
- Imlib-1.9.8以上 (1.9.10 以上推奨) ftp://ftp.gnome.org/pub/GNOME/sources/imlib/1.9/
- libungif-4.1.0b1 以上 ftp://prtr-13.ucsc.edu/pub/libungif/ http://prtr-13.ucsc.edu/~badger/software/libungif/
以下は Imlib のインストールに必要
- libjpeg ftp://ftp.uu.net/graphics/jpeg/
- libpng http://www.libpng.org/pub/png/libpng.html http://libpng.sourceforge.net/
- libtiff http://www.libtiff.org/
- zlib-1.1.4 http://www.gzip.org/zlib/
- netpbm http://netpbm.sourceforge.net/
・Linux framebuffer 使用時
- Linux の 15,16,24,32bpp PACKED-PIXELS TRUE-COLOR/DIRECT-COLOR, 8bpp PACKED-PIXELS PSEUDO-COLOR framebuffer を利用できる環境
- GdkPixbuf (0.16 以上推奨) または Imlib2 (1.0.6 以上推奨)
w3mimgdisplay の設定
w3mimgdisplay は以下のオプションを受け付けますので端末に合わせて オプション設定パネルで(または -o オプションで)設定してください。
`-x <offset_x>`
端末上に画像を表示する X 方向の原点。X11 で利用する場合デフォルト
は 2 ですが、xterm や kterm ではスクロールバーの幅を計算して加え
ようとします。(正しく出来ないかもしれません。)
Eterm では 5 にすべきかもしれません。
Linux framebuffer で利用する場合デフォルトは 0 です。
`-y <offset_y>`
端末上に画像を表示する Y 方向の原点。デフォルトは、X11 では 2、
Linux framebuffer では 0。
Eterm では 5 にすべきかもしれません。
`-bg <background>`
端末の背景色。デフォルトは、X11 では自動設定、Linux framebuffer
では #000000 (黒)。
#RRGGBB で指定する場合は # をエスケープして設定してください。
`-anim <n>`
アニメーションで表示する最大フレーム数を指定。0 の時は制限なし。
負の時は最後からのフレーム数と見なします。デフォルトは 100。
`-margin <n>`
画像をクリアする領域のマージンを指定します。スクロールしたとき画
面にゴミが残って しまう場合に指定してみてください。
デフォルトは 0。
例)
w3m -o 'imgdisplay=w3mimgdisplay -x 5 -bg "#cccccc"'
その他
- GIF animation は w3m からの再描画要求に応じてフレームを書き換える だけなので勝手に動いてはくれません。絵を動かすためには 'h', 'l' 等 の適当なキーを連打してください。
- framebuffer 描画関係には、下記 URI のコードを利用しました。 http://www.sainet.or.jp/~yamasaki/download/fb-sample.tar.gz
- Windows では標準コンソール、Cygwin rxvt、PuTTYで動作確認しています。
更新記録
2002/02/04
- ドキュメント改訂
2002/02/01 w3m-0.2.5+cvs-1.287
- 本家の CVS へマージ。
2002/01/31 w3m-0.2.4-img-2.2
- w3m-0.2.4+cvs-1.278 ベース。
2002/01/29 w3m-0.2.4-img-2.1
- w3m-0.2.4+cvs-1.268 ベース。
2002/01/28 w3m-0.2.4-img-2.0
- w3m-0.2.4+cvs-1.265 ベース。
- pixel_per_char, pixel_per_line を自動設定するようにした。
- 端末の背景色を自動設定するようにした。
- 画像処理関係のソースを image.c に分離。
2002/01/08 w3m-0.2.4-img-1.18
- w3m-0.2.4 ベース。
2001/12/29 w3m-0.2.3.2-img-1.17
- w3m-0.2.3.2+cvs-1.196 ベース。
2001/12/25 w3m-0.2.3.2-img-1.16.1
- [w3m-dev 02698] Thanks > かずひこ@kondara.org さん
2001/12/22 w3m-0.2.3.2-img-1.16
- w3m-0.2.3.2 ベース。
2001/12/20 w3m-0.2.3.1-img-1.15
- w3m-0.2.3.1 ベース。
- Content-Transfer-Encoding で送られて来た画像を表示可能にした。
2001/11/29
- ChangLog 1.71 時点の CVS ソースに対してマージ開始
2001/11/17 w3m-0.2.2-img-1.14
- w3m-0.2.2 ベース。
2001/11/14 w3m-0.2.1-inu-1.6-img-1.13
- w3m-0.2.1-inu-1.6 ベース。
2001/11/05 w3m-0.2.1-inu-1.5-img-1.12
- w3m-0.2.1-inu-1.5 ベース。
<area><map>
が使えなくなっていたバグの修正。- kterm 上で xwnmo を使った場合に対応。
2001/10/03 w3m-0.2.1-inu-1.4-img-1.11
- w3m-0.2.1-inu-1.4 ベース。
- 標準入力から読み込む時に落ちるバグの修正。
- configure の修正。Thanks > 深川さん。
2001/08/01 w3m-0.2.1-img-1.10
- 画像の位置の微調整。
- スケールのバグ修正。
2001/07/31 w3m-0.2.1-img-1.9
- initImgdisplay() の修正。Thanks > David.
2001/07/29 w3m-0.2.1-img-1.8
- configure の修正。Thanks > 坂根さん。
2001/07/28 w3m-0.2.1-img-1.7
- configure, XMakefile が patch に入って無かった。
- 画像を表示しない場合の処理をオリジナルに近づけた。
- [w3m-dev 02121] に対応。
2001/07/27 w3m-0.2.1-img-1.6
- README.img を doc-jp へ移動。doc/README.img を作成。
- インライン画像対応部分を USE_IMAGE マクロで分離。
- configure でインライン画像対応を選択できる様にした。
- configure で Imlib をチェックする様にした。
2001/07/26 w3m-0.2.1-img-1.5
- w3mimgdisplay は必要になるまで立ち上げない様にした。
- w3mimgdisplay が落ちた時に、w3mimgdisplay を再立ち上げできる様にした。
<img align=middle
の場合の計算間違いの修正。- [w3m-dev 02118] に対応。
- funcname.tab が間違っていたので修正。
2001/07/25 w3m-0.2.1-img-1.4
- w3mimgdisplay を環境変数 WINDOWID を見る様に改良。 また、text window の推量部分も改良。
- image タグを img タグと同じものとして追加。
- [w3m-dev 02090], [w3m-dev 02097] に対応。
2001/07/14 w3m-0.2.1-img-1.3
- ext_image_viewer が OFF の場合は画像を直接フレーム表示可能にした。
- Option Panel が SEGV するバグの修正。
2001/07/13 w3m-0.2.1-img-1.2
- 画像のスケールを指定出来る様にした。
- SIGUSR1 のブロックに関する修正。
2001/07/12 w3m-0.2.1-img-1.1
- キー入力中以外は SIGUSR1, SIGWINCH をブロックする様にした。
- バグ修正。
2001/07/11 w3m-0.2.1-img-1.0
- MGL 版の画像読み込みを採用。
2001/07/10 w3m-0.2.1-img-0.5
- 描画の高速化。w3mimgdisplay で不要な XSync() を止めた。 不要な drawImage() を止めた。
2001/07/08 w3m-0.2.1-img-0.4
- w3mimgdisplay での Window の取得や offset_x のデフォルト値の改良。
<img align=middle
の場合の計算間違いの修正。<img align=left|center|right
では<div>〜</div>
を使う様にしてみた。- w3mimgdisplay では SIGINT を無視する様にした。
- w3mimgsize もオプション設定できる様にした。
2001/07/07 w3m-0.2.1-img-0.3
- kterm に限らず、X11 上の端末では画像を描画できる様にした。
2001/07/06 w3m-0.2.1-img-0.2
- README.img を作成。
- kterm-6.2.0-img-0.2.patch を w3m-0.2.1-img-0.2.patch に含める様にした。
- コードの整 理、安全側への修正
2001/07/04 w3m-0.2.1-img-0.1
- バージョン管理開始。
- Imlib 対応版。
2001/06/30
- XPM 版でほぼ実装完了。
2001/06/19
- MGL 版に刺激を受けて img への対応のテストを開始。
坂本 浩則 <hsaka@mth.biglobe.ne.jp>
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hsaka/